alchemist_380 のひとりごと

元・水の分析屋さんがブツブツ言います

2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

空気の発見 (3)

光合成は、植物が光エネルギーを化学エネルギーに変換して、生体に必要な有機物質を作り出す反応過程です。大雑把な表現ですが、大気中の二酸化炭素と水から炭水化物を合成する反応で、炭素固定とも言います。 二酸化炭素と水でブドウ糖を作る反応式 水 H2O …

「空気」の発見 (2)

前回紹介したアリストテレスの物質観は、私たちが⽇常的に目にする物質の変化や運動を巧みに説明してくれるものでしたが、熱・冷・乾・湿などは、⼈間の感覚知覚に基づいた相対的であやふやなものだとして納得しない人もいました。たとえば、デモクリトス(B…

「空気」の発見 (1)

ウェブで出合った物理と化学の違い: ○ 物理学は、自然の究極的解明を目指し、すべての階層において、できる限り普遍的な法則を探求する学問。○ 化学は、さまざまな物質の構造・性質および反応を対象とし、物質世界の多様性を明らかにしようとする学問。 理…

海洋の表層循環-海流 (4)

元・水の分析屋さんの愛読書「老子」から引用です。 上善若水 水善利萬物而不爭 處衆人之所惡 故幾於道上善は水の若し 水は善く万物を利して而(しか)も争わず 衆人の悪(にく)む所に処る 故に道に幾(ちか)し 「道に幾い」水は、万物に恵みを与えながら…

海洋の表層循環-海流 (3)

日本語を母語としない人たちが日本語を学ぼうとするとき、ものの数え方がわかりにくくて困るという話をよく耳にします。たとえば、鉛筆などを数えてみましょうか。 一本、二本、三本、四本、五本、六本、七本、八本、九本、十本。 私の読み方は「いっぽん、…

海洋の表層循環-海流 (2)

世間でいう「深層水」は、太陽光が届かない、生物活動が活発ではないと思われる深さ(200m くらい)よりも下から汲み上げた海水だと思います。しかし、海洋観測の業界では1000m深くらいまでは「表層」です。まあ、全海洋の平均深度が約3700mでしたから、「深…

海洋の表層循環-海流 (1)

「マーフィーの法則」 Bureaucratics (官僚主義)の章より -------------------------------------------------------------------------------組織の異常行動についてのオーエンの理論すべての組織には、不適任者のための部署が用意されている。 推論前任…

北太平洋でできる一番重い水

おおごとじゃ、おおごとじゃ。リマン海流がホントに明瞭な流れなのか、とかでブツブツ言っていたところ、もっとずっと大胆な奴を発見しました。以下、引用です: ------------------------------------------------------------------------------- 五島列島…

親潮と黒潮の間で (3)

10/30 に掲載した図の中に「親潮(千島海流)」「黒潮(日本海流)」と書かれておりました。図をもう一度載っけておきます。 (再掲図:海流の名称にご注目) 親潮を千島海流ともよぶ、黒潮を日本海流ともよぶ。これは社会科(地理)の業界だけのことみたい…

親潮と黒潮の間で (2)

今年の立冬は今日、11月8日。暦の上では冬です。ネット上のあちらこちらに「立冬は秋分と冬至のちょうど中間」と書かれているのをみかけたもので、ブツブツ言いたくなりました。 二十四節気は太陽黄経(春分点基準の黄道上の太陽の位置)で決まっています。…

親潮と黒潮の間で (1)

「水塊 water mass」とは、水温、塩分、溶存酸素量、栄養塩濃度などがほぼ一様な水の塊(かたまり)のこと。海の物理屋さんたちのいう水塊は、たいてい水温と塩分で定義されますが、元・水の分析屋さんは化学屋なので、溶存酸素量や栄養塩濃度も気にします。…

親潮と黒潮、何が違う?

蛍光灯の電球(蛍光管)に水銀が使われていることをご存じでしょうか。蛍光管の電極から電子が飛び出し、それが封入されている水銀原子に衝突して紫外線が生じて内壁の塗料に吸収され、そのエネルギーが可視光線として放射されるという仕組みです(水銀原子…

海の恵みがもたらされる仕組み (5)

昨夕(11/1)は稲光と雷鳴に驚かされましたが、幸いにも植木鉢がいくつか倒れる程度のことですみました。「気象庁|アメダス」のページから函館の観測データを拝借です。 11月1日 函館の毎時データ 昼まで庭で木材加工の作業をしていたのですが、風が強くな…