2024/11/03 夕方のニュース。 もうすぐ台風ができるそうです。
カロリン諸島を西北西へ進む熱帯低気圧、今夜までに台風へ発達する見通し。中心気圧は 1004 hPa、中心付近の最大風速は 15m/s、最大瞬間風速は23m/sです。台風になれば今年の「22号」です。
2024/11/04 04:05 気象庁発表。
4日3時、フィリピンの東の北緯11度25分、東経134度30分において、
熱帯低気圧が台風第22号になりました。
台風は1時間におよそ30キロの速さで西へ進んでいます。
中心の気圧は1002ヘクトパスカル
中心付近の最大風速は18メートル、
最大瞬間風速は25メートルで
中心から半径330キロ以内では
風速15メートル以上の強い風が吹いています。
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気象庁の「知識・解説」によると、30年間(1991~2020年)の平均では、年間で約25個の台風が発生。約12個の台風が日本から300 km以内に接近し、約3個が日本に上陸しているとのこと。発生・接近・上陸ともに、7月から10月にかけて多いのがふつう。
上のグラフをご覧下さい。月ごとの平均発生数、11月は6月を上回っています。それなのに一部のニュース番組などで「11月にもなって発生するのは珍しい」と言わんばかりなのが気になりまして。「ふつうはこんなコースはとらないですね」なんて言ってますが、日本本土に影響があるかどうかしか考えていない、まことに情けない、不埒な態度だと思います。
ふだんからのことですが、簡単に「北海道、沖縄を除いて(i) 全国的にいい天気」だなんていう人もいます。もちろん、報道に携わる人なんですが、マイノリティの人権とかを語る資格があるのかな。
(i) 元・水の分析屋さんは、こういうのを「のぞきの被害」と呼んでいます。
さて、今回は久しぶりに海のことで。
暖水渦を追跡調査しよう
今年6月に「黒潮続流はどうなった?」と題して、三陸沖における黒潮続流の北偏傾向と、海面水温の大きな正偏差、そして黒潮続流から暖水塊がちぎれたかどうか、について書きました。あれから 5ヶ月も経過したので、気象庁提供の 旬平均50m深海流図を使って、追跡調査と参りましょう。
5月中旬~下旬にかけて、黒潮続流からちぎれてできた暖水渦がひとつ。40.5°N, 145.5°E あたりでしばらく居座ります。6月上旬~中旬には、その渦の南東側の 39.0°N, 150.0°E 付近にもうひとつの渦が切り離されたようです。
その後、二つの渦はジワジワと西進。後でできた南側の渦は、8月下旬ころ黒潮続流に飲み込まれるような形で消滅しますが、先にできた渦はほとんど停滞したまま存続。10月中旬から下旬にかけて少しだけ東に動いたかな・・・ですが、その辺はまだ明確ではありません。
なにぶん老人力がついてきているので情報元は判然としませんが、日本の東方に発生した暖水塊は、ほぼ東経144度線にあたる日本海溝付近まで西進して、その後北上。釧路沖の海域を北東に進む・・・傾向があるのだったか、理論的にそうなるのがふつうだったか、怪しい記憶があります。西に進むと言えばロスビー波でしたかね~
さて、渦=環流は上の図ではっきり見えていますが、100m深水温 15℃ の等温線との関連はどうなっているでしょうか。
先にできた暖水渦に注目すると、100m深でみた等温線がぐるっと閉じている領域の大きさはあまり変化していない様子。元気ですね! どこかから暖水を補給してもらえなければ、これだけの期間持続できないでしょうね。北偏しているとはいえ黒潮続流とは離れているのですが。
\(・_\)それは(/_・)/おいといて、暖水渦のそばにある冷水域の水温をみて、何か気になることはありませんか?
5月下旬には、暖水渦の北側、釧路沖に 5℃以下(よーく観察すると 2℃の線もあるようです)の領域があります。ところが、8月上旬の図では、暖水渦の東側に冷水があって、その最低水温が 1℃以下みたいです。10月下旬の図で見える冷水域には 1℃の等温線は入っていない。
何が言いたいかというと、暖水渦周辺の冷水域の水温は、5月よりも8月が低くなっていて、10月には少し上昇している、です。そうか、このへんの 100m深海水温は、夏に下がって秋に上がるのか・・・でいいのですかね~?
観測データを喰った数値モデルが表現した海だけに、どの程度真相を反映できているかは分かりません(分からないところを補うために数値モデルを利用していますから)。まあ、いろいろあります。