alchemist_380 のひとりごと

元・水の分析屋さんがブツブツ言います

ニュース2件でブツブツ言います

気になったニュースから。

 

テレビ朝日、7月の障害の原因は「中性子線の衝突」
  半導体の進化でソフトエラー発生率は上昇  (ITmedia NEWS 2024/11/08)

 

テレビ朝日は11月8日、7月に放送機器の障害で地上波のCMやBSの番組、CMが放送できなくなった件について原因を特定したと発表した。中性子の衝突によりメモリーエラーが発生し、番組送出用のサーバが制御できなくなったという。(中略)
エラーの原因については、設備メーカーから「中性子線の影響」と報告があったという。中性子は日常的に地上に降り注ぐ宇宙線が、大気中の原子に衝突することで発生し、これが半導体に衝突すると誤作動(ソフトエラー)を引き起こす場合がある。テレビ朝日の検証会議が大学や民間研究所などにヒアリングしたところ、見解はほぼ一致したという。
中性子に起因する「ソフトエラー」は以前から指摘されていたが、実際に起こることは稀だった。しかし近年は半導体製造技術の進歩で半導体製造ルールの微細化が進み、保持する電荷も小さくなったことで、以前より影響を受けやすくなっている。一方で影響評価や対策の研究も進んでおり、試験方法などはNTT研究所の提案をITU-Tで標準化済みだ。
テレビ朝日は再発防止策として、同様の事象が発生した場合は通信を遮断するなどの対策を施した他、予備系統を強化するなどして不測の事態に備える。なお、この障害を受け、技術局担当取締役が役員報酬10%、1カ月分を自主返上した他、技術局長が譴責処分となっている。(後略)

 

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半導体素子を小型化すれば、記事にあるとおり、保持する電荷が小さくなります。動作は速くなるのですが、素子の中に予期せぬ荷電粒子が発生したときの影響は大きくなるでしょう。中性子電荷を帯びていませんが、半導体素子の中の原子核との相互作用で荷電粒子が生じて、そのせいで出たノイズによって 0 であるべき信号が 1 になるくらいのことは起こりそうです(もちろんその逆向きのことも)。システム内部の冗長性などで修復できればよいのですが、素子が小さいだけ保持できる冗長性も乏しいはずですから。

 

コスパ、タイパを求めるばかりでは、いざという時に為す術がないって状態になりかねません。車のハンドルにだって若干の「遊び」があるように、生活の中、金銭的にも時間的にも、ちょっとでいいから余裕を持ちたいもの。

莊子に曰く「人皆知有用之用、而莫知無用之用也(人皆、有用の用を知れども、無用の用を知るなし)」です。いらんがな・・・と思うことにも意味はある、ってね。

\(・_\)それは(/_・)/おいといて、元・水の分析屋さんの文章は、冗長性に富んでいるということでお褒めをいただいたことがあります。当時はうれしいと思いませんでしたが、すぐ役に立つことを書く気も必要もなくなってからは、「○○冗長体」(○○には私の姓が入ります)のありがたさが、身にしみてうら悲しくさえ思われます。なにぶん、ヒマ潰しには最適ですので。

 

ついでですが、中性子は、陽子とともに原子核を構成する粒子で、電子よりも 3桁大きい質量をもちます。大きい原子核核分裂して発生する中性子線は、なかなかの高エネルギー(i) で(ふつう ~2 MeV くらい)その速さも光速の 1/10 に達することがあるそうです。当然ですが、人体影響についても、腫瘍を誘発するなどの悪影響があるとされています。

(i) 福島第一原発ではトリチウム水が問題にされていますが、トリチウムの出す β線の最大エネルギーは 18.6keV です。β線の正体は電子。粒子の質量が小さい分、エネルギーも低いわけです。

また、中性子線は電荷をもたないので、電磁的な方法では遮蔽することができません。高速中性子を遮蔽するには、中性子とほぼ同じ質量をもつ陽子(水素原子の原子核)がたくさん含まれる物質、水やコンクリートが有効とされます(ii)中性子原子核に当たって、方向を変えたり、原子核を励起したり、ときには原子核に吸収されて相手の原子核を変えたりしながら、エネルギーを失っていきます。

(ii) 原子番号が大きい重い原子核中性子が衝突すると、相手が動かないので弾き飛ばされて運動の向きを変えるだけになり、なかなか減速しません。軽い粒子同士で衝突を繰り返す方が有効なわけです。

そういう一例みたいですが、比較的遅い熱中性子の遮蔽には、ホウ素(B)を含むセラミックなどがよく用いられます。ホウ素が熱中性子を吸収すると、下図のような核反応が生じます。

赤丸が陽子、白丸が中性子

もちろん、反応の前後で陽子と中性子を合計した数は変わりません。

反応後にはリチウム(Li)と α 粒子(He-4 の原子核)ができます。そして、α線は飛程が短くて、ほぼその場で止まります。α粒子が当たるところにはそれなりに大きなインパクトがあるものの、影響の及ぶ範囲は小さい、ということです。

 

まとめになどなっていませんが、自然界で当たり前に発生する中性子線でさえ、放送局のひとつを麻痺させるくらいはできてしまう。ましてや、できの悪い人間たちがなすべきことをやり損ねて発生した放射線であれば・・・とは常々思っています。

 

もう一つ:

「背に腹は代えられない」 自民党広島県連、政治資金パーティー開催

 (朝日新聞社 によるストーリー 2024/11/10)

 

自民党広島県連は10日、広島市内のホテルで政治資金パーティーを開いた。県選出の岸田文雄前首相らが参加し、主催者によると約1千人が出席した。2週間前の衆院選では、自民党派閥のパーティーをめぐる裏金事件への対応が争点となり、与党は厳しい審判を受けた。それから間もないパーティー開催に、県連関係者は「党は資金の面倒を見てくれない。背に腹は代えられない」と話す。(中略)

自民広島県連会長の平口洋衆院議員はこの日の取材に対し、「(開催は)前から決まっていた。そのままやるかどうかは検討したが、制度の枠内でできるだろうということ。県連が通常の政治活動をする上で、どうしても必要なものだ」と説明した。政治資金パーティーのあり方が問われた衆院選直後の開催については、「法律で認められている範囲内で開催しているので、問題はない」と話した。

透明性確保のため、パーティー券代は銀行振り込みのみで受け付けたといい、平口氏は「法違反にならないように、皆さんやったと思います」とも語った。

ある県連関係者は「党本部は県連の資金の面倒を見てくれず、自分たちで集めないと活動できない。自粛する県連もあるようだが、背に腹は代えられない。風当たりが多少強くてもやるしかない」と話した。

 

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党は資金の面倒を見てくれない、とか、活動資金を集めないと活動できない、って言ってますが、分かってないようですね。

政治資金の問題は、どうやって金を集めたのか、そしてそれを何に使ったのか、が明らかになっていないことではなかったか(だからこそ「裏金」なのにね)。木っ端役人だった元・水の分析屋さんが部外の講演会に招かれたとき、謝礼やお土産はもらっていないかとか、昼食の弁当はいくらくらいだったのかとか、さんざん訊かれて閉口していたのですが、政党の県連ともなれば、そんなことなんか気にしないでいくらでも金を集めるのが仕事らしいですね。何しろ、使い途フリーのお金、いくらでもありますからね。

\(・_\)それは(/_・)/おいといて、何が「背」で何が「腹」なんでしょうか。記事を読んでもさっぱり分かりません。もし「腹」と思われる通常の政治活動が「票集めのためのばらまき」であれば、速攻でアウトなんですが。

朝日の記者さん、鋭く切り込んだつもりかも知れませんが、県連幹部への取材で、相手が返答に窮するような質問をどのくらい投げかけたのでしょうか。正義感があるつもりなら、ちっとは頑張りなさいよ。

 

次回は、少しは学問らしい話にしたいです。