気象庁 大気海洋部 12/10 発表の「エルニーニョ監視速報」より:
2024年11月の実況と2024年12月~2025年6月の見通し
○ エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態と見られるが、ラニーニャ現象時の特徴が明瞭になりつつある。
○ 今後、冬の間はラニーニャ現象時の特徴が明瞭となるが、その後は弱まるため、春にかけてラニーニャ現象の定義を満たすまでには至らず、平常の状態が続く可能性が高い(70 %)。
ラニーニャ現象は発生していない平常の状態だが、ラニーニャ現象時の特徴が明瞭になりつつある。また、ラニーニャ現象時の特徴は明瞭になるが、定義を満たさないままに平常の状態が続く・・・これは分かりにくいのではないでしょうか。
主な原因は、エルニーニョ現象、ラニーニャ現象の定義にあるのだと思います。エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値に着目して(すでにここまでで多くの人が脱落するかと)、それが+0.5℃ 以上(−0.5℃ 以下)の状態で6か月以上持続した場合をエルニーニョ(ラニーニャ)現象の発生、と定義しているのです。さらに、エルニーニョ監視「速報」の性格上、実況と予測を合わせた5か月移動平均値がその状態で「6か月以上持続」する「見込み」であれば「(現象が)発生」との表現で速報(i) されます。
(i) 速報とは、本来、「起こった」出来事を素早く知らせること、のはずです。「見込み」の段階で速報するのは反則だと思います(私の見解です・・・はい、論破)。開票速報の当選確実がひっくり返ったことも、一度や二度ではないですよね。箱の中身を全部開けば確定情報が出るのに、何であわてて怪しい情報を出すのか、と思うのですが、視聴率はとれるらしいです。
もともと、エルニーニョ(ラニーニャ)は、「赤道付近の東太平洋、ペルーやエクアドルの沖合いの広い範囲で、海面水温が平年より高く(低く)なる現象」として知られていました。それが持続した場合を呼ぶのに「現象」をつけちゃったところで、かなりややこしくなっていると思います。その業界の人が正しく理解できていれば OK という考え方は、部内では成立するでしょうが、「現象」が入れ子になったような構造、一般市民にとって分かりやすいとは思えません。
\(・_\)それは(/_・)/おいといて、11/20 に取り上げた「3か月予報(12月~2月)」との整合性はいかがでしょうか。

ラニーニャ現象時の特徴に言及した割りには、典型的なラニーニャ年の1988年の状況と比べてみると、東部赤道太平洋域の負の偏差は小さいし、日本周辺を含めた北半球の中緯度域の偏差は符号からして真逆です。めちゃくちゃ高水温になっていますよね。はて? どうしたことでしょう? 「エルニーニョ監視速報」には、青字にしたところの説明はないみたいです。そっと書いてあったらごめんね。
「3か月予報(12月~2月)」には、今冬の北海道内は2021-22年の冬と同様、ラニーニャ現象の影響を強く受けると予想されます、って書かれておりましたが・・・

3か月予報の解説文は、「ラニーニャ現象時の特徴として、太平洋熱帯域の海面水温は、西部で高く、中・東部で低くなる」となってました。後から出たエルニーニョ監視速報は、ラニーニャ現象は発生していない平常の状態だが、ラニーニャ現象時の特徴が明瞭になる、と書いている。これでいいのだ・・・なのかな?
モヤッとしたままですが、次行ってみよう! 正五角形にも出てくる互除法の話。
「ヘキサゴン!」ではなく「ペンタゴン」
平成の中頃、人気を博した「クイズ!ヘキサゴンⅡ」を覚えていますか? おバカを売りにしたタレントたちが怪答を連発するばかりだったせいか、人気の絶頂だった司会者・×田〇助氏が黒い噂で引退に追い込まれると、番組も間もなく消滅しましたね。6人組のチームで戦っていたから、ギリシャ語で6を意味する「ヘキサ」を使ったのでしょうが、キッコーマンのマークも「ヘキサゴン」です。番組のスポンサーではなかったと思いますが、何か問題が生じてはいなかったか。もっとも、私が心配してもどうにもならないのですけど。
さて、数字は変わって、ギリシャ語で5を意味するのは「ペンタ」。アメリカ国防総省が「ペンタゴン」と呼ばれるのは、その本庁舎の建物が五角形だからです。五角形といえば、函館の観光名所の五稜郭も五角形(星)をモチーフにしています。特に、五角形の五本の対角線でできた五芒星は魔除けになります。

五稜郭の図は Google の地図から切り取ったものです。五角形というより星型、星型というよりイトマキヒトデ型・・・のような気がします。ちなみに、イトマキヒトデの名は糸巻きの形に似ているから、というのですが、実物を見てそう思ったことはないです。
正五角形は面白い対称性をもつ多角形です。頂点を通って向かい合う辺に直交する直線を軸とすれば線対称です(5本ある)。また、正五角形が内接する円の中心に軸をたてて回転させると、72度(360÷5)ごとに元の図形と重なり合います(5回対称軸がある、といいます)。
正三角形には3回対称軸があります。正四角形(正方形)は4回対称軸をもちますが、これは2回対称軸でもある。この考え方でいくと、正六角形は贅沢にも、2回、3回、6回の対称軸をもちますが、正五角形は5回対称軸しかもちません。5という数が 2, 3の次の素数だからですね。
ところで、前々回(12/10)、黄金長方形の長辺を短辺で割る。残りで短辺を割る。残りで短辺を割る。残りで短辺を割る・・・という互除法が際限なく続くと書きました。実は、正五角形の対角線の長さを一辺の長さで割る、という互除法を始めると、これまた際限がないのです。こうなってますからね・・・

正五角形のある対角線とどこかの辺は平行です(赤い矢印で示したところ)。ここが出発点。別の対角線はやはり別の辺と平行なので(青い実線)、対角線の長さから一辺の長さ a を引き算できる。その残りを a' とします。も一つ別の対角線を考えると(青い破線)、さっきと同様に a' が作られる。大きい方から小さい方を引けるだけ引く、互除法になっていますね。
ここで右の図を見ると、二つの対角線(青い実線と破線)によって引き算された残り a'' は、元の正五角形に対応する五芒星の中にある正五角形の一辺になっていることが見て取れます。この小さくなった正五角形に同じ操作を施すと・・・際限がないことは容易にお分かりいただけるでしょう。この互除法におわりがないということは、正五角形の対角線と一辺の長さとの比の値は、有理数の範囲にないのです。故に無理数。
次回は、ここに見えている黄金比の話・・・にしようと思います。