alchemist_380 のひとりごと

元・水の分析屋さんがブツブツ言います

ウソやで・・・

4月1日でございます。だからっていうことでもないのですが、ウソくさい話をいくつか紹介してみたいと思います。

 

円の面積、球の表面積の求め方

円の面積は (半径)×(半径)× 3.14、ちょっと成長すると πr2 って学校で習います。円周率を π と書くだけでエラくなったような気がしたものですが(大笑)、公式の導入でこんなことしてませんでしたか・・・

分割して並べ替えても面積は変わらない・・・

円をたくさんの扇型に切り分けて、うまいこと組み替えて並べ替えると、平行四辺形っぽく見えてきます。高さは円の半径、底辺は円周の半分になります。平行四辺形の面積公式と、円周の長さが(直径)× 3.14 だということは先に習っているはずなので、円の面積の公式が出てきますね。何しろ、元の図形を適当に分割して配置を組み替えても、面積は変わらないのですから。

じゃあ、球の表面積の公式も、同じように考えて作ってよいのではないか。今は昔、小○館の学習雑誌か何かで、赤道を固定して両極から切り裂いた地図を球体に貼り付けて、地球儀を作っちゃうオマケ(じゃなくて付録)があったと記憶していますが、地図の部分はこんな感じでしたか(球の半径を r と書きます):

赤道で8分割した図です-少し歪んでしまいます

もっと刻みを細かくすると・・・

赤道が底辺で上下に二等辺三角形が並んでいるように見える

曲線であるはずのところがだんだんと直線的に見えてきます。もっともっと刻みを細かくすれば、最終的に赤道に底辺がある、高さ πr の二等辺三角形が、無数に上下両方向に並んでいるイメージになるでしょう。ということで、十分に刻みを細かくしたときのこの図形の面積は (2πr ×πr)/2 = π2r2 となります。

おや、球の表面積の公式は S = 4πr2 のはずでしたが。

 

拡散は光速よりも速いか

理科系の皆さん、おなじみのはずの「拡散方程式」の話です。

初期条件として x=0 にクロネッカーのデルタを与えると・・・

拡散方程式の解の形はご承知でしょう。t=0 で x=0 のところにだけ物質があるとした場合、t>0 になったとたん、x のあらゆる値に対して C>0 です。拡散方程式は、物質が一瞬にして遙か彼方まで届く、と言っています。

硫酸銅溶液の拡散実験・・・数時間から1日は楽しめますよね

物質はそう簡単には動いてくれません。思いもよらぬスピードで拡散するのは、SNS 上での悪い噂話だけにしておいてください。

九州西方を北上する海流は存在するか

リマン海流」撲滅を目指している元・水の分析屋さんですが、「対馬暖流(海流)」の教科書的な説明にも大いなる不満を抱いています。

九州西方を北上する対馬暖流・・・

リマン海流でさえ黒潮と同じ太さの線で表現してあるのですから、対馬暖流だって流路をたどっていけるくらいの流れのはず・・・ですが、さてどうでしょう。

九州西方の東シナ海を北上する明瞭な流れを見たことがない(笑)

4つの海流を示した図で矢印がある場所あたりに、流速1ノット(kt)以上になる明瞭な北上流があるのを、不肖私めは見たことがありません(潮流成分は考えないで)。

 

そこら中にウソが落ちてますよ。ご用心、ご用心。