今朝(4/14)の NHK「アサイチ」。堀ちえみさんがネット上で受けた誹謗中傷が話題になっていました。何とも不可解なことに、特に違法性が高いとして逮捕された一人は、何と16000回もの書き込みをしていたそうです。誹謗中傷するための元ネタを読んで、書き込みするための端末を持っており(金に困ってはいない)、相手を傷つけるような作文をして、それを書き込むための時間もある(仕事や生活に追われてはいない)。これだけならタダのヒマ人ですが、相手をとことん追い込んで死にたいとさえ思わせるまで続けることができるのですから、広い意味で犯罪者の素質がある人なのでしょう。匿名性があるからとか、正義感が暴走したとか、ムツカシイ説明がなされるのですが、そんな加害者をかばう必要はない。被害者の方が証拠を集めて(これだけでも精神的にキツいでしょう)、法的手続きを始めなくてはならない。ここが一番マズいんではないでしょうか。
ちなみに、Not in Education, Employment, or Training(学校に通わず、働きもせず、職業訓練も受けない)の頭文字をとって NEET といいます。金に困ってないし、仕事や生活に追われてもいないはずです。小人閑居して不善を為す(礼記・大学)と申します。はい、ここまで~
さて、前回書いたように、わが国における二酸化炭素回収・貯留 (CCS: Carbon Capture and Storage) の技術はまだ開発途上。先の見通しも明るいとは言えない状況のようです。では、その CCS と組み合わせるはずの技術はどこまで進んでいるのか。前回、横文字のまま紹介しただけの DACCS と BECCS。どんな技術なのか見ておきましょう。
DAC(Direct Air Capture: 直接空気回収)+ CCS = DACCS
DACCS は DAC と CCS とを組み合わせた技術。空気中から直接、二酸化炭素 CO2 を分離・回収する技術が DAC (Direct Air Capture) です。以下の4つの手法があります:
・化学吸収法
空気を吸収液(アルカリ水溶液、アミン等)に通して CO2 を吸収・分離する。加熱操作によって回収する。
・化学吸着法
空気を吸着剤(アルカリ金属塩、アミン担持多孔質材、イオン交換樹脂など)に通して CO2 を吸収・分離する。加熱・減圧・加湿等の操作により回収する。
・膜分離法
CO2 を通過させる分離膜に空気を通すことで CO2 を分離・回収する。
・深冷分離法
二酸化炭素の凝固点まで空気を冷却し、ドライアイスにして分離する。
上の二つ「化学○○法」は、液相または固相における化学反応によって CO2 を固定し、その後 CO2 に戻して回収する方法。弱酸をアルカリと作用させると思えば、吸収・分離の段階には困難な要素はあまりなさそうです。ただし、回収段階で必要なエネルギーがバカにならないのが欠点かと思われます(i)。
(i) 酸と塩基が中和する向きの反応は容易に進行します。中和して生成される物質の方がエネルギー的に安定して存在できるからですね。ということは、中和反応の生成物から酸・塩基を取り出すには、大きなエネルギーが必要になる。これ、必然です。
膜分離法は、CO2 を選択的に通過させる薄膜を用いて、CO2 分圧が高い側から低い側へと移動させて回収する方法です(高校の化学で出てくる「浸透圧」を思い出せばイメージが沸くはずです)。現実の大気とほぼ同程度の CO2 濃度のモデルガスによる実験では、CO2 を窒素 N2 よりも1万倍以上速く透過させることができたそうです。何よりも CO2 回収時のエネルギーが、原理的には必要ないところが魅力かと思いました。
最後の「空気をドライアイスになるまで冷やす」は・・・いかにも「ちからわざ」で、大変そうじゃないですか? ドライアイスにした後も、どこかに輸送して埋めるまで、低温下で管理し続けるのですよね。プラントと埋める場所が離れていたらムリ、ってことでチャンチャンになりそうな気がします。超常現象や霊的な現象に頼る「心霊」分離法にならないようお祈りします。
さて、大気中の CO2 濃度は 400ppm 程度、言い換えると 0.04% です。検出するだけなら簡単な濃度ですが、大量の空気を DAC の装置に送り込み、CO2 を強力に吸収・吸着する性能を持つ材料を用意し、そこに別の所から得たエネルギーをつぎ込んで CO2 を分離し、さらに適切な方法で回収するとなると、大きな困難を伴いそうです。また、CCS で地下に貯留する CO2 の濃度は 98% 以上だといいます。
DAC を CCS に結びつけるためには、CO2 の濃度を 0.04% から 98% まで濃縮しなくてはならない。よほど効率的な濃縮方法がないと、実用化は夢のまた夢でしょう(ii)。CCS にどのように結びつけるか、そこまで含めて考え直す必要もあるのではないでしょうか。
(ii) 膜分離法では、分離膜を極限まで薄くすることで CO2 の透過率を高め、多段階の膜分離に持ち込むところまではできているそうです・・・ですが、それでも最終的な目標濃度は 40% だといいます。それでも、分離・回収装置が小型化でき、回収に要するエネルギーコストも大幅に低減できるはずです。この先はトータルの設計次第ではないかと思います。
BECCS: Bioenergy with Carbon Capture and Storage(CCS 付きバイオマス発電 )
BECCS は、DACCS とは言葉の組み立て方が違っていて、「バイオマス(iii) 発電 Bioenergy, Biomass Power」と CCS の組み合わせになっています。「ダックス」と「ベックス」とを並列のように登場させておきながら、解説を聞くとヒネリが加わっている。こういうやり方は、専門用語の説明を一般ピープルに分かりにくくするための有力な手段の一つです。ムツカシくて分からない、それだけでありがたがる人も大勢いますし。
(iii) そもそもは、生物 bio の量 mass という言葉ですが、ここでいうバイオマス biomass は、再生可能な、生物由来の有機性エネルギーや資源を指しています。ただし、元は生物由来だとは言え、地下から掘り出してくる化石燃料は除いて考えます。具体的には、草木、海草、プランクトン、生物の死骸・排泄物、人間が出す生ゴミ、紙くず・・・などなどの有機物だと思えばよいでしょう。
\(・_\)それは(/_・)/おいといて、BECCS は、バイオマスを燃焼させてエネルギーを得る時に発生する CO2 を回収・運搬して、CCS に渡してしまう仕組み。地上に存在するバイオマスから出た CO2 を地中にもっていきますから、大気中の CO2 は純減となるという理想的な技術です。しかも、バイオマスが燃えるときに出る CO2 をすぐに回収するのですから、どう考えても大気中の CO2 濃度 400ppm よりも高濃度のところがスタート地点。回収段階も DACCS に比して圧倒的有利な条件で実行可能です。
さらに、バイオマスを燃やして電力を得るということは、火力発電の一種ですから、既存の技術の応用も容易なはず。なんだか、いいことずくめです。

ところが、バイオマス燃料を入手しやすいと思われる北海道でさえ、電源構成の中にその姿は見えません。それどころか、もしかして過去形になっているかもって期待していた化石燃料、「石炭 36%」が燦然と輝いております。うまい話のようですが、バイオマス発電もまだまだ開発途上といわざるを得ないようで。
環境影響を考えて、ガソリン車から電気自動車に乗り替えた・・・北海道内であれば、ガソリン(石油)から石炭に乗り替えたとも考えられる・・・元・水の分析屋さんの愛車は、ガソリンが必要なハイブリッド車です。