alchemist_380 のひとりごと

元・水の分析屋さんがブツブツ言います

これは小馬鹿にしているのに違いない

今日は何もアップする気はなかったのですが、新聞記者さんの妙な言葉遣いへの抗議の意味で。当日のうちに書くだけ書いておきます。

 

本日(2024/04/10)の北海道新聞、地域の話題の紙面です。私は函館市に住んでいるので、道南のバージョンを見ております:

遊覧船にむけて「お出まし」を用いたのはなぜ?

上の記事、おかしいと思いませんか?

大沼公園の遊覧船、冬季には陸揚げされていたところ、春の営業開始に向けて湖面に下ろしたという話題です。あとは、安全運行のために点検・試運転・・・となったのでしょうが、この見出しは何だろう。

「お出まし」は上級の尊敬語ですから、主語は「猊下」「閣下」「殿下」「陛下」・・・であるはずです。大沼公園の遊覧船、稲荷神社のように「正一位」でもいただいているのでしょうか。

元・水の分析屋さんがまだ駆け出しのころのこと、新規業務に向けた話がこじれかけた時と記憶していますが、直属の上司(今で言う課長補佐くらいの方)が「部長にお出まし願わないとね~」と言ったのに大いなる違和感を感じました。長官とかのお出ましならまだしもですが、私もあなたも、お出ましいただきたい部長も、東京メトロの満員電車で通勤していたのですからね。茶化している感、満載なのですよ。

というわけで、残念ながらこの記事を書いた記者さん、無意識のうちに遊覧船の運行に関わる方々に対して、根拠もなく皮肉を込めた(あるいは小馬鹿にするような)表現をしてしまったとしか思えません。あ、もちろん、それを見過ごしたデスクさんも同罪ですから。

 

ついでながら、国定公園の「大沼」は沼なのか湖なのか、という問題も気になります。地元の七飯町のweb ページによると・・・

湖・沼の定義については明確なものがなく、一般的に中央部への湖岸からの植物の侵入を許さない深度(5~10メートル以上)をもつものが湖とされております。これらの資料等より、大沼は湖と判断しております

・・・ということですから、先の記事、はっきりお見せするのもナンなのでぼかしてしまいましたが、「湖面に下ろした」と書いたのは正解です。ここは、よかったみたいですね。