alchemist_380 のひとりごと

元・水の分析屋さんがブツブツ言います

水の話から始めましょう

元・水の分析屋の初めての投稿です。これまで自分が頼ってきた知識を再確認しながら、比較的最近の話題を拾い集める方向でやっていきたいと思います。

 

まずは分析対象としてきた水の話から始めないとしょうがないかなぁ。

 

水の分子

 水の分子は酸素原子一つに水素原子二つ、最近話題の「トリチウム水」でなければ、分子量 16×1+1×2=18 です。二酸化炭素の分子は O-C-O が一直線に並んでいますが、水分子 H-O-H は酸素原子をはさんだ頂角104.45度の二等辺三角形になっております。

水の分子

酸素原子は水素原子のもつ電子を引きつける性質があり、酸素側がマイナス、水素側がプラスという電荷の片寄り「双極子モーメント」が生じます。近くにある水分子同士のプラス・マイナスが引き合って「水素結合」をもたらし、次に紹介する水の不思議な性質の元になっています。

 

融点・沸点が高い

分子量が18の水ですが、融点は0℃、沸点は100℃。メタン(12+1×4=16)、窒素(14×2=28)、酸素(16×2=32)、二酸化炭素(12+16×2=44)と比べてみましょう。

二酸化炭素は1気圧だと液化しない

分子量の割に融点も沸点も非常に高いことがわかります。融解熱、気化熱、比熱も大きい(それぞれ 6.01 [kJ/mol], 40.7 [kJ/mol], 75.3 [J/mol/K])ので、大気・海洋における熱エネルギー輸送に極めて大きい寄与をもたらすことになります。

※次回は、地球上の水はどこにどのくらいあるのか、など書いてみます。