アメリカ共和党のカーター下院議員は24日、トランプ大統領をノーベル平和賞に推薦したとX(旧ツイッター)で明らかにしたそうです。イスラエルとイランの停戦を仲介したことは「歴史的な偉業だ」として、トランプ氏を持ち上げました。推薦文では「世界が危険な戦争の瀬戸際に立つ中、敵対行為を停止させるための大胆な行動を取った」と称賛したというのです!
ノーベル平和賞。過去の受賞者の中には「???」な人も確かにいますが、他国の紛争に軍事力で介入、使ってみたかった兵器を使い終えると、さっさと引き上げて、これまた一方的に停戦を宣言(それもホワイトハウス公式ではなく自分の SNS 上で)。そして「戦争を終わらせたオレ様はエラい」的な流れ。これはいったい何だろう。人間がやっていることだなんて、思いたくもない。
あの大統領の話には、'I think' など、主語が一人称の言葉がすごく多いように感じられます。「自分の発言したことは実現する」という、どこにも根拠のない自信に溢れているようです。ヒトラーの演説に 'ich' が多いのとそっくりですね。
そこで日本。古くから「大和は言霊の幸わう国」です。言葉には魂が宿る。だから、悪い言葉を使ってはいけない。ウソはもちろんダメです。特に政治家さんたちにお願いしたい。善い言葉を使いましょう。そうすれば、言霊がきっと私たちを、ひいては国を、守ってくれるはずです。忘れてはいけませんが、神風が吹くなんてことはないのですよ。
閑話休題 頑張った結果がまさかの 2次元
有限長の線分から3分の1 を取り除く操作を無限回繰り返して得られるカントール集合。操作の途中ではいつでも正の「長さ」を持つのに、できあがりの「長さ」は 0で、その次元は 0.63092975... でした。
有限長の線分を折り曲げて、元の線分の 3分の4 倍の長さの折れ線を作る。この操作を無限回繰り返して作ったコッホ曲線。どの段階でも増大するその「長さ」は無限大で、「線」のはずなのに 1.2618595… 次元でした。
また、現実世界の海岸線や国境線を図形だとみれば(マンデルブロの論文を参照)、ブリテン島の西海岸はおよそ 1.25次元、南アフリカののっぺりした海岸線でも 1.02次元。いずれも「線」の次元 1 よりは大きい値でした。
正三角形から相似比 1/2 の正三角形を取り除く操作を無限回繰り返してできるシェルピンスキー・ガスケットの次元は 1.5849625... でした。同様に、正方形から相似比 1/3 の正方形を取り除く操作を無限回繰り返してできるシェルピンスキー・カーペットの次元は 1.8927892... です。2次元の図形から始めて、途中のどのステップでも有限の「面積」をもっていたはずですが、できあがりは 2よりも小さい次元。
とまあ、このように整数ではない次元(これぞ「フラクタル」次元)の例を紹介してきていたのですが、無限回の操作を繰り返すと・・・の中には、かなり性格の悪いメンバーがおります。「ペアノ曲線」、「ヒルベルト曲線」のような「空間充填曲線」がそうです。
1890年のこと、イタリアの数学者ジュゼッペ・ペアノは、正方形の全ての点を通る曲線(折れ線の極限)を考えつきました。翌1891年、ダフィット・ヒルベルト(ドイツの偉大な数学者)はペアノの曲線よりもシンプルなものを構成して見せました。「ヒルベルト曲線」と呼ばれるものですが、それを紹介します。
下図をご覧ください。スタートは、4分割された正方形。それぞれの中心を結んで、下向きに開いた「コ」の字型の折れ線を作ります(左上)。1/2 サイズのミニチュアを4つ用意して、上段にはそのままの向きで2つ並べ、その下に右90° 回転させたものと左90° 回転させたものを並べます(下段)。隣り合う「コ」の字型の近いところをつなげて、一回の操作は終了です(右上)。

この操作を「コ」の字型一つひとつに対して無限回施していきます。この作り方から、全体のミニチュアが部分と相似である、というのは「明らか」でしょう。フラクタルの構造になっていますね。
さて、次の図では、最初の「コ」の字の頂点に 1~4 の番号を振り、二番目の図にもところどころ番号を振りました。これで 4k(k=1, 2, 3, ...)番目の点と 4k+1 番目の点をつなげることを理解していただけたなら幸いです。

さて、図に示すとどうしても「線」に太さが発生してしまいますが、無論、ヒルベルト曲線に至るまでのどの段階でも「線」に太さはありません。ところが、無限回の操作を施した極限では、太さ・幅がない「線」が、正方形という 2次元領域内の全ての点を通るのです。つまり、ヒルベルト曲線に「沿って」進めば、正方形内部の任意の点にたどり着くことができます。 おお、これはまたまたビョーキです。
そして、最初の「コ」の字型の線の長さは 3/2(元の正方形の一辺を 1として考えています)。次のステップでは、1/2 に縮小した図が 4つで 3/4×4、「コ」の字型をつなぐところで 1/4×3 が加わります。長さは 3+3/4 になっていて、もちろん最初の 3/2 よりも大きい。操作を繰り返せば「長さ」が増え続けることは容易に理解していただけると思います。
さらに納得のいかない話です。ヒルベルト曲線を構成するための各ステップでは、元図の 1/2 サイズのミニチュア 4つで次の図を作るのでした。フラクタル次元を d とすれば、2d=4 ですから d=2 ・・・・・・整数ですよね ・・・・・・ 頑張って、頑張って構成した、複雑な曲線の次元が 2なんだって! 「平面」と同じ 2次元だって! おーい、責任者出てこいよぉ。
責任はすべて私にあります・・・みたいな話じゃないので、まあ、\(・_\)それは(/_・)/おいといて、折れ線(1次元)からできるフラクタル図形は、複雑さを極めると平面(2次元)を埋め尽くすことができる(だから空間充填曲線)。ということが分かりました、と。
今回はここまで~