alchemist_380 のひとりごと

元・水の分析屋さんがブツブツ言います

増えるのか、減るのか あしたの符号はどっちだ?

フランシーヌの場合はあまりにもおばかさん・・・

1969年3月30日、フランシーヌ・ルコントさんがパリで焼身自殺。ベトナム戦争、ナイジェリアの内戦に心を痛め、ビアフラの飢餓を取り上げた記事の切り抜きをもっていたと聞きます。翌日(つまり 3月31日)には日本にもこのニュースが届いて、国中を駆け巡りました。

※「フランシーヌの場合」を歌った新谷のり子さんは、現・北斗市のご出身。

 

世界には様々な立場の人がいますし、世間には色々な見解があるでしょうが、あれから50年以上の時を経ても、戦争はなくならないし、飢餓から逃れられない人も減っていない。時々でもいいから、フランシーヌが死をもって訴えたことを思い出して、一人ひとりがやるべきことを考え直したいものです。

 

ところで、今日は「くもり 時々 晴れ 所により 朝 まで 雪」じゃあなかったんかい! 昨夜から雪が降ったりやんだりで、わが家の庭にも積もってしまったんですけど・・・

 

\(・_\)それは(/_・)/おいといて、今回は二酸化炭素 CO2 の収支の表現などお話ししましょう。

 

カーボンニュートラル」とは

地球温暖化は深刻化の度合いを増しており、大気中の二酸化炭素の増加は大きな要因となっています。「もっと掘れ、掘って掘って、掘りまくれ」という、どこかのネジが外れた大統領に熱狂する人も、残念ながら多いようですが、先の大統領選挙において、アメリカの石油・天然ガス業界は、過去のどの選挙よりも多くの資金を共和党保守系の候補者や政治団体に提供した、とNEWSWEEK 誌その他で報道されています。しかも、その資金の大半は選挙資金規制の対象にならない「ソフトマネー」または候補者の陣営に直接渡さない「外部支出」という形だった、とか(i)。お金は政界を支配します。腐敗していなければ、話は別です、けどね。

(i) わが国でも政治資金という名で色々なお金が動いていますが、企業献金であろうと個人献金であろうと、規制の対象にならなければ何でもありですよ。わかりやすくいえば、センセイ方に金をつかませる手立てはいくらでもある。どうせ「フェイクだ」とか言われるに決まっておりますが、業界から金を出してもらえば「悪いようにはしない」のが政治家さんです。そんなことで一つしかない地球の環境をないがしろにしてもらっては困るんですが。

 

わが国では、一応、二酸化炭素 CO2 がこれ以上増加するのはまずいと考えていて、今のところ2050年までに「カーボンニュートラル」を達成することを目標にしています。

あれこれ「しれっと」書き込んでいるようで

資源エネルギー庁のページからもってきたので仕方ないのですが、原子力の活用が当然のこととして盛り込まれ、脱炭素化が困難な領域は「ジッパヒトカラゲ」にして「炭素除去技術で対応」でまとめられております。何じゃこれ、ですが、2050年に「排出+吸収で実質0トン」とちゃんと書いてある。パワポの1ページの中にキーワードを何でもかんでも鏤(ちりば)めて、淀みなく説明したように見せる・・・そういう資料としては合格点なんでしょう。

ここでは「排出量吸収量=0」というのが「カーボンニュートラル」という表現です。でも、移項すると「排出量=-吸収量」ですから、「排出量」がプラスの値なら、「吸収量」はマイナスですね。これで分かりやすいでしょうか。排出も吸収も、どちらもプラスの値で示して「排出量吸収量=0」「排出量吸収量」という表現でよかったのにね、と、残念感とともに大いなる違和感も感じています。

 

「カーボンポジティブ」? 「カーボンネガティブ」? どっちなんだい!

というのも、「ニュートラル」は「中立」ですから CO2 が増えも減りもしないという意味にしか受け取れないですが、渡る世間では「カーボンポジティブ」も「カーボンネガティブ」も使われていて、しかも、何がプラスかマイナスかが分からないからです。

ふつう、ポジティブはプラスでネガティブはマイナスって思いますから、「カーボンポジティブ」は排出が吸収を上回る、CO2 が増える向きのことを言っているかと考えてしまいます。ところが、実際にはカーボンニュートラル」の状態よりも吸収量の方が多いことを「カーボンポジティブ」というらしい。あれ? CO2 が減る向きのことじゃないですか。何じゃそれ ??????

これだけでも頭の中で「?」がいっぱい並ぶのですが、某マイクロソフト社なんかは「CO2  の吸収量が経済活動による排出量を上回る状態」を「カーボンネガティブ」と呼ぶことにしているようです。いやいや、それでは上で赤く書いた「カーボンポジティブ」とまったく同じではないですか。世界を混乱に陥れることによって、何かの拍子に Windows でデジタル空間を通じて世界征服しようとか目論んでいるのでしょうか。

 

そもそも、「排出量と吸収量を比較してどちらが多いか」を表現するのでないと、議論のスタート地点が定まらないのでは。CO2 の排出量と吸収量を比較すると、以下の三とおりの場合があって、それ以外のことは起こりません:

① 排出量 > 吸収量

② 排出量 = 吸収量

③ 排出量 < 吸収量

このうち ② を「カーボンニュートラル」と呼ぶことには異論は出そうにない。問題は① と ③ のどちらを「カーボンポジティブ」といい、その反対を「カーボンネガティブ」と言うか、です。明日はどっちだ(ii)、符号はどっちだ。

(ii) 元・水の分析屋さんにとっては「あしたのジョー」ですが、10年ほど前、山本小鉄子さんによるコミックも出ていますね。

 

元・水の分析屋さんは、これさえも統一できないのであれば、あるいは、誤解されない用語を別途用意するのでなければ、環境化学がサイエンスの一翼を担うことはできないかも知れない・・・と思っています。用語の定義ができないと、科学は成り立ちません。そして、真実ではなくてゼニを求めて動く人たちにそういう用語を作らせてはいけません。

 

いやぁ、今日のオヤジはいいこと言いますね~ 自画自賛もいいところで それではまた。