JPCZ 再び
1/8 に JPCZ が明瞭になったところで「速報」を書きましたが、今日も典型例だと思ったので、画像を貼り付けてお見せします。

まず、気圧が 850hPa になる高さ(およそ 1500m です)における風の流線です。収束帯が能登半島の北をかすめて、佐渡~新潟方面に達していますね。

こちらはひまわりの赤外画像による雲の様子。朝鮮半島の北東側から能登半島付近に連なる雲の列があり、その辺を境にして雲の形状が異なる・・・のようなことを書いたはずですが、今回も同様です。
この JPCZ は日本海の幅が最大になるような場所に位置しています。海面水温が比較的高い日本海でたっぷりと水蒸気を受け取るだけでなく、長距離にわたって吹き渡る風によって風浪が最大限まで発達します。北陸地方では風や雪が強まっており、大雪や風雪については各県とも注意報レベルですが、石川県には波浪警報が出ています。
\(・_\)それは(/_・)/おいといて・・・
グチグチ愚痴る元・水の分析屋さん
前回、唐突に「10を底とした対数の値」の話を切り出したところ。高校生の数学で出てくる「指数・対数」、皆さんの抱くイメージはどんなものでしょう。世間では相当ムツカシイことになっていますが、元・水の分析屋さんの個人的意見としては、理科系であろうがなかろうが、「それなりの」理解はしていただきたいです。まだ気象庁で働いていた頃、pH が出てくる話を十分かみ砕いて解説したつもりなのに、「説明が分かりにくい」と言われたことが何度もあります(i)。
(i) そんなことをいう人に限って、「137Cs」と「137Cs」のどこが違うのかとか(高校の物理で習わなかったのかな)、「十億トン炭素」は分かりにくいから「億トン炭素」に直せとか(直したらよく分かるとでもおっしゃるのか)、まあ、理不尽この上ない無茶をいいます。挙げ句の果てに、文末の文字が行頭にこないようにしようとして、「しかし」と「ところが」なんかを使い分けておいたのに、どちらかに統一するようにと、ご丁寧な修正意見を下さる方までおられます(役所の報告物でもプロポーショナル・フォントが主流になったために、元・水の分析屋さんのこうした努力は意味を失いました)。こんなん、どないせぇちゅうねん。
さてと、このブログで以前書いたことですが、大きな数値を扱うときに、国際的には 3桁ごとに区切ります。そのせいでしょうか、世界共通ルールの SI では、日本語の数詞とは対応しない 3桁区切りで接頭語が用意されているのです。

「炭素循環界隈」の英語で書かれた論文その他には「ギガ G:109 」とか「ペタ P:1015」とかが当たり前に登場します。それらを和訳する際に、単位を「億:108」や「京:1016」に書き直す必要などありません。だって、'billion' を「十億」と和訳して何が悪いのでしょうか。一桁ずらして「億」の方がよいという理由が見当たらないのですが。
また、原子力発電所の事故で放出された放射能の量を表現するときに出てきた「テラ T:1012」。これは肩に乗っかった 12が 3と 4の公倍数になっているおかげで「兆」と一致した幸運な例。科学技術の業界で大きな(小さな、でも同様です)数を扱うときには 3桁=千倍(103 倍)ごとの区切り方がふつう。そこに日本語の 4桁区切りを持ち込もうとすると、据わりが悪くて苦しくなってしまうのです。気象庁に所属する行政職の木っ端役人、英文和訳でそんな苦労をする身分ではないでしょう。
ってなことを書いていたら、気圧の単位は「ヘクトパスカル hPa」で、千倍ではなく百倍の接頭語が付いているゾ、と反撃を試みる人もいそうです。残念! ガッカリしてください。これは、従来「ミリバール mb」で表現していた数値がそのまま使えるように、SI の圧力の単位「パスカル Pa」 に100倍を表す接頭語「ヘクト h」を付けたもの。「キロパスカル kPa」にして従来のデータの桁をずらすような愚を避けたのです(タイヤの空気圧だって、昔ながらの kgf/cm2 が通用しています)。そもそも、ですが、「バール bar」自体、メートル法の枠内にある単位なのに、MKS でも CGS でもない(ii) ことも、この際ですから指摘しておきますね。
(ii) MKS単位系とは「長さ・質量・時間」の基本単位を「メートル m・キログラム kg・秒 s」とするもの。CGS単位系は「センチメートル cm・グラム g・秒 s」 とするものです。これらの基本単位に基づいて、力学の世界において一貫性のある単位系が形成されます。しかし、バール bar の居場所はそこにはない。SI の立場からは困ったちゃんだということです。
ここまで、大きく書いてある数字の右肩に乗っかった小さめの数字、指数を中心話題にしてボヤいてきましたが、たとえば「109」とは「10×10×10×10×10×10×10×10×10 」(10を9回掛け算する)だということは、ご承知ということで先を続けます。
10n は n+1桁の数。では、0.5桁の数は?
「1 000 000 000」(SI 式でコンマの代わりにスペース)と書かれると分かりにくい、ここは認めるとして、「10×10×10×10×10×10×10×10×10 」のことだと知れば、なるほどこれは分かりやすい・・・でしょうか。いくつ「10」を掛けるのか数えなければなりません。「109」と書いてあれば、数える手間がなくてすむ。何なら「1 のあとに 0 を 9個並べた数」という理解もできるでしょう。そうです、「109」は 10桁の数なんですよ。
10を底とする対数も「桁」で理解しましょう。log 2≒0.3010, log 3≒0.4771 でした。3×log 2≒0.9 だし、2×log 3≒0.95 です。2×2×2=8, 3×3=9 で、8倍とか9倍とかは 10倍に近い。8 や 9を掛けると、1桁近く大きい数になるわけです。
2倍を3回繰り返して 1桁近く大きくなるなら、1回だけ2倍すると 0.3桁(0.3010)くらい大きくなる、と言えるのではないか。3倍を2回繰り返して 1桁近く大きくなるなら、1回だけ3倍すると 0.5桁(0.4771)大きくなる、でよいではないか。
元・水の分析屋さん個人の考えですが、(10を底とする)対数は10進数の「桁」に注目した表現だと考えれば、何となく気が楽になると思います。
次回は、報道でもやたらと登場する対数がからんだ話題で。