ここんところ、イチロー氏、野球の殿堂入りのニュースに日本中が沸いておりますが、イチロー氏に投票しなかった記者は、394人中わずか1人。元同僚のデレク・ジーター氏(2020年に殿堂入り)と同様に満票選出に1票足りなかったということです。
すごいなぁと感じるのは、イチロー氏のコメント:
「1票足りないというのは、凄く良かったと思います。しかもジーターと一緒。足りないものを補いようがないですけど、努力とかそういうことじゃないからね。いろんなことが足りない。人って。それを自分なりの完璧を追い求めて進んでいくのが人生だと思うんです。これとそれはまた別の話なんですけど、不完全であるというのはいいなって。生きていく上で不完全だから進もうとできるわけです。そういうことを改めて考えさせられるというか、見つめ合える。そこに向き合えるのは良かったなと思います」
不完全であることをそのようにとらえることができるんですね・・・野球の記録だけでなく、人徳も積み重ねてこられたのでしょうね。
「どうやら1人、投票してくれなかった方がいるようですが、是非自宅に招待して一緒にお酒を飲みたいので、名乗り出て、シアトルまでお越しください」という発言も、さすがの一言です。
・・・で、思い出したのが「老子」の言葉。
「老子」第四一章
上士聞道、勤而行之、中士聞道、若存若亡、下士聞道、大而笑之。 不笑不足以爲道。故建言有之。
明道若昧、進道若退、夷道若纇。
上徳若谷、大白若辱、廣徳若不足。
建徳若偸、質眞若渝。
大方無隅。大器晩成。大音希聲。大象無形。
道隱無名。夫唯道善貸且成。
上士は道を聞けば、勤めて之を行ひ、中士は道を聞けば、存するが若く亡きが若く、下士は道を聞けば、大として之を笑う。笑わざれば以って道と爲すに足らず。 故に建言之あり。
道に明かなるものは昧(くら)きが若く、道を進むものは退くが若く、夷道(いどう)は纇(らい)なるが若し。
上徳は俗なるが若く、大白は辱(じょく)せるが若く、廣徳は足らざるが若し。
建徳は偸(おこた)れるが若く、質眞(しつしん)は渝(かわ)るが若し。
大方には隅無く、大器は晩成し、大音は聲 希(かすか)に、大象は形無し。
道隠れて名無し。夫れ唯道のみ善く貸し且つ成す。
明るい道は暗く見え、進んでいても退いているようで、平坦な道はでこぼこに見える。
大きな四角には隅がなく、大きな器はできあがることがない。大きな音は聞き取ることができず、大きな象(すがた)には形がない。
ちょっと違う話になりましたが、許してチョンマゲ(これも昭和であろうと思います)。
正五角形が内接する円の半径と一辺の長さの関係
「r と a の関係が分かれば、正五角形の面積についての理解、それはそれは深まるのではないかと考えます」って書いてから、あっという間に一週間が経過しました。これではサボりだといわれても仕方ない。
言い訳ですが、先週末、元・水の分析屋さんの仲間内でちょっとしたイベントがあり、そこでちょっとしたお役目を請け負うことになって、調べなくてはならないことがいくつか発生したもので・・・ でも、正五角形の話はまったくの別件、ベッケンバウアー(i) です。申し訳ない!
(i) 昨年1月に亡くなった、フランツ・アントン・ベッケンバウアー(Franz Anton Beckenbauer) は「皇帝」と呼ばれたサッカーの名選手です。指導者としても輝かしい実績を残しておられます。
単なる計算問題なので、ここらへんで「正五角形が内接する円の半径 r と一辺の長さ a の関係」をまとめておきましょう。もちろん、二重根号は外れませんから、そこんとこヨロシク。

どこかで見た図の △OAB において O から辺 AB の方に垂線を下ろせば、一辺の長さ a と内接する円の半径 r の関係は、a=2r sin 36° と書けることが分かります。計算問題としては上の図に示したとおり。二重根号が外れないことを気にしなければ、簡単な部類であろうと思います。
それにしても、具体的に計算するとやたらと √5 が登場する世界。そこら中が「富士山麓」(ii) です。おお、風光明媚だこと。
(ii) √5 ≒ 2.2360679 フジサンロク オームナク(富士山麓 鸚鵡 啼く)、って覚えましたね。√2 ≒ 1.41421356 ヒトヨヒトヨニ ヒトミゴロ(一夜一夜に 人 見頃)、√3 ≒ 1.7320508 ヒトナミニオゴレヤ(人並みに奢れや)。最初から3つの素数の平方根です。覚えておいて損はないでしょう。
黄金比 Φ をめぐる色々な関係式
正五角形に関連する計算問題にたくさんの √5 が登場するのは、一辺の長さと対角線の長さが黄金比になっているせいです。そして、名前に「黄金」が入っているだけあってなのかどうか知らんけど、興味を惹くような関係式がいくつも知られています。ここでまとめて振り返っておきましょう。
そもそもは、フィボナッチ数列の一般項を求めようとしたときに用いた「特性方程式」が発端でした。

ここから「ビネの公式」に進んだのでしたが、特性方程式の二つの解のうち値が正になる方が「黄金比 Φ」です。行きがかり上、値が負になる方の符号を変えたものを Φ-1 と書くことにします。

まず、簡単な計算でわかることですが、確かに Φ と Φ-1 をかければ 1。特性方程式の解と係数の関係の符号を変えただけです。また、これまた当たり前なのですが、Φ は特性方程式を満たしますから、Φ2 = Φ+1 という関係があります。その先も示しておくと、

左右両側を見比べると、ビミョーな対称性があることに気付くでしょうか。こうして、黄金比の累乗は黄金比の一次式で表現できるわけですが、たくさん出てくる √5 をかけるとどうなるか。いえね、Φの式の中に √5 の2乗を作ってみたい、それだけですから。

どこまで行っても黄金比。
今回取り上げた関係式は、計算すればすぐに出てくるので、思い出すきっかけだけあればいいと考えます。逆数関係がある、累乗は一次式になる、√5 をかけても √5 が出てくる・・・のように。丸暗記しようとして失敗するのではなくて、計算して確かめながら進みましょう。覚えるべき事項はそれほど多くありません。
ここで別世界の話題ですが、10を底とした対数の値も二つ三つだけは覚えたいもの。log 2 は 0.3010, log 3 は 0.4771。log π は 0.4971 です。5= 10÷2 ですから、log 5 も覚えようと思った人は残念でした。
log 2 は「03010」という数字並びで、log 3 は「零点死なない」、log π は「零点よくない」です。ほ~ら、もう忘れないですよ~。