alchemist_380 のひとりごと

元・水の分析屋さんがブツブツ言います

暴風圏がなくてもまだ台風

(これ、8/30 の午前11時頃書き始めました)

 

台風10号は昨日九州に上陸、その後ゆっくりと東寄りに進んで九州を横断。国東半島付近から瀬戸内海へと抜けそうです。本日午前0時には風速25m/s 以上の暴風圏がなくなり、また、雨雲の分布も中心から見た対称性を失いつつあるようです。しかし、地上天気図だけではなく、上空まで渦という構造はまだまだしっかりしています。

九州北部にはっきりした渦があります

風の影響は弱まってきたようですが、太平洋側の広い範囲にわたってところどころ大雨となっています。前に書きましたが「温かくて湿った空気だけでできている」のが台風です。降水をもたらす水蒸気をたっぷり含んだ空気がそこらへん一帯にあります。台風から離れていても、依然、特に雨に関しては、警戒を怠るわけにはいきませんね。

 

「台風に関する用語」をチェック

気象庁による「知識・解説」のページから、台風に関する用語をみていきましょう。

○「台風崩れの低気圧」は「使用を控える用語」で「×」が付いています。もちろん「台風から変わった低気圧」と言い換えるのです。

○「豆台風」や「迷走台風」も「×」です。予報用語でもないし、解説にも使いません。小さいと思われて油断を招いてはいけませんし、「台風が迷走しているわけではない(i) ので用いない」のように、解説が迷走するのはもっと困ります。

(i) 「複雑な動きをする台風」と言い換えるのですが、「複雑な運動をし、その進路の予想が困難なことがある台風」を「迷走台風」だと、一応書いてあります。思うに、通常の予測手法では移動する向き・速さの予測が困難ということであって、動きを決める要因が込み入っているのではないでしょうから、「複雑」とは若干意味合いが違います。単に「進路予想が困難な台風」でよいのではないでしょうか。あっ、これは元・水の分析屋さんの個人的意見です。

○「藤原の効果」(ii) にも「×」が付いています。予報士さんの解説では、割とよく登場するように思いますが。

(ii) 二つ(以上)の台風(熱帯低気圧)が近接して存在するとき、それらの中間のある点の周りを反時計回りに移動しようとするなど、相互に干渉して複雑な運動になることを言います。より愉快な詳細な説明はこのページでご覧下さい:https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/haichi2.html

気になって仕方ないのは、「風台風」、「雨台風」が「△」の「解説用語」、つまり、気象庁が発表する報道発表資料、予報解説資料などに用いる用語になっていることです。曰く、

○「風台風」・・・雨による被害は比較的小さく、風による被害が大きい台風。 例 洞爺丸台風

○「雨台風」・・・風による被害は比較的小さく、雨による被害が大きい台風。 例 狩野川台風

洞爺丸台風狩野川台風を例にしていますが、はて。昭和29年と33年の事例。元・水の分析屋さんだって、まだ地上世界へのお呼びがかからず、お空のどこかで遊んでいたころの話です。昔の名前で出ているとしか言えませんが、それで理解は進むのでしょうか。

\(・_\)それは(/_・)/おいといて、気象庁が台風の「被害」に関して「比較的」などの言葉を使いつつ説明・解説する・・・果たして被害の評価をする立場なのだろうかという疑問もありますし、「比較的」では定量的な話ができません。被害の詳細な評価は、関係機関の調査や新聞報道にまかせて、深く立ち入るのはおやめいただきたい。これが本音です。あっ、これも元・水の分析屋さんの個人的意見ですけどね。

 

台風の中心はどこ?

8/30 16時現在、最新台風情報によれば、台風10号は、30日15時現在、松山市の西約40kmにあって、東北東に時速15キロで移動しています。中心気圧は994hPa、中心付近の最大風速は18m/s、最大瞬間風速は25m/sです。

台風の「中心」はどうしたら分かるのでしょうか。いや、そもそも台風の中心とはどこを指すのでしょうか。

○ レーダーや衛星の画像で見える「眼」の中心・・・なのか

○ 風の分布が分かるなら、その回転の中心・・・なのか

○ 台風の周りでは等圧線が同心円状になるから、その中心・・・なのか

○ 適当な周辺領域の中で気圧の極小値になっている点・・・なのか

台風の「眼」が画像ではっきりしていれば、その幾何学的な中心で納得ですが、「眼」がはっきりしないときが悩みの種です。「時間的にも空間的にも連続」な風や気圧のデータなんか存在しませんから、離散的なデータのプロットを動画的にみて、総合的に推定することになるんでしょうかね。どんな方法によっても、中心位置をリアルタイムに確定して追跡することは非常にムツカシイ。私はそんなの担当したくない・・・

またも \(・_\)それは(/_・)/おいといて、日本周辺の天気図では出てきませんが、アジア太平洋域の天気図では、台風の中心位置に「確度」の情報が添えられます。

赤い下線を引いておきました

言うまでもない、かもですが、PSN は Position = 位置 のこと。位置の確度の評価は三段階で、誤差がおおむね 30 海里(Nautical  Mile: 1NM = 1852m)以下だと「Good: 正確」、30海里を超え60 海里以下だと「Fair: ほぼ正確」、60 海里を超えると「Poor: 不確実」となります(iii)

(iii) 学校の成績、5段階で「秀・優・良・可・不可」とすると、英語では高評価の方から順に 'Exellent', 'Very Good', 'Good', 'Fair' または 'Passed' で、最後は 'Failing' らしいですね。おお、追試じゃ、追試、赤点じゃぁ。成績優秀な皆様には関わりのないことですが・・・ホーッホッホッホ、ホーッホッホッホ。

今見ている台風10号、南の海上にあって「眼」もはっきりしなかった頃の位置は 'FAIR' でしたが、観測データがたくさんある場所なので 'GOOD' で位置を出せています。

今日(8/30)午後3時の天気図から

今日、午後3時(15時)の天気図でも位置は 'GOOD' でしたが、それにしても動かない台風です。明日午後3時の予想位置、まだ紀伊半島です・・・よからぬ影響が長引くかも。

 

速報性がまったくないのもまずいので、ここらあたりで投稿しますね。